品種と学名他:私見(1) ハオルチア・オブツーサ 

寒くなって外に出たくなく、持病の偏頭痛がここのところ激しく、寒い所に急に出ると発作的に襲ってくることもあって植物の観察も怠りがち。
花が咲いたよ♪とかこんなに綺麗になったよ♪とかいう楽しい?ネタが入手困難気味なので、しばらくダラダラ駄文を綴りたいと思う。


まずやっぱりハオルチアから。

ハオルチアのとっかかりは殆どの方がオブツーサからと思う。

世間で一般にオブツーサと言われるもの。古い学名でHaworthia obtusa、現在はこの名前は学名としては殆ど使われていない。
オブ、オブと良く言うが実態のよく分からない混乱した商業名と思っておいた方が無難かと個人的には思うところ。

オブツーサと言われるとすぐ思いつく、葉先の丸いものは現在流通しているものに付いてくる学名ではH. cooperi v. pilifera f. truncata、H. cooperi v. dielsiana、H. joyeaeあたり。

古い文献でオブツーサとして紹介されているスケッチを見ると、今のオブツーサとは微妙に違うものかな?と思う。

obtusaとは英語で「obtuse=鈍い」つまり葉先が丸まっていることを示す。
しかし輸入株にも葉先がかなりとんがったり肉牙だらけのH. cymbiformis v. obtusaなどもあり、どこがどう鈍く丸いのかと疑問に思ったり。
何か学者さんにしか分からない分類理由があるのだろうから、素人は付いてきた札を落としたり混乱させないようにしつつ愛でればよろしいかと。

ハオルチアは郡落(原生地での固まって生えている場所)ごとの差異が激しく、花粉が風で飛んで行って隣の群落と交配し段々どっちつかずの種が出来上がることもよくあることで、そういう理由でこれがアレなの?と思われる品種が便宜上?どちらかに分類されていたり、花の時期とか花茎の形状なども分類を左右するので、多少外見がその種の標準から外れていてもそちらに入ってしまうこともあるかと想像している。

時折某オークションなどでは尖葉系のシンビフォルミスやクーペリー(まぁこの辺りはかすっているのでギリギリ許容範囲?)ならまだしも、エメリアエ系やテッセラータ系まで「オブツーサ」として出品されていることもあり、これは詳しくない方が「オブツーサ」という名称を「ハオルチア」全般のことと勘違いしているためだろうが、その位にオブツーサはハオルチアの代表格。

ハオルチアは交配も多く出回っているが、交配種を作り出し流通させる方は雌雄両方の親株の品種名を明らかにして欲しいと個人的には思う。
商業的な部分もあり、オープンにするのはオトナの事情で難しい部分もあるだろうが、誰かがそれを真似して雌雄とも同種を使って同じ交配をしたとしても全く同じ顔の株が作り出される訳ではないのだし。また隠したつもりでも分かる方にはある程度見当が付いてしまったりw

特殊な顔の株は所詮遺伝子の悪戯、実生の上手い下手はもちろん技術だが、どんな株が出て来るかは『神のみぞ知る』なのだから。

学名・品種名至上主義では決してないのだが(そう取られているとは思うがw)自分の手元にあるものについての情報は多ければ多いほど有益で、栽培上の取り扱いの参考になるし、純粋に楽しみとしてもこの株のこの部分は父株のここ、こちらは母株のここ、と少し掘り下げた楽しみ方が出来る。

ま、原種マンセー栄養繁殖大好き野郎なので、自分が殆ど実生しないので言える勝手な意見かも知れませんがねーw

さて、オブツーサに戻り、特にでっかいタイプをご紹介。
いずれも葉っぱ一枚は私の指くらいもしくはそれより太い、ってそれじゃ分からないか。
私は一応性別女にしては手がでかく、家事用ゴム手袋はLサイズ、薬指サイズは10.5号です。え?どうでもいいって?w


先日京都で頂いた、親株直径15cm?20cm?という巨大タイプのオブツーサ。青白く粉っぽい肌で葉は長めになるピリフェラ。葉の頂点のノギはない。
巨大オブ

緑色で透明感はあまりないが、窓模様くっきりの大粒。
巨大オブ

『大渓谷』という名の付いた巨大オブツーサ交配種。大窓で透明度が高く、光の反射で成長点はオレンジ色に見える。
大渓谷

昔輸入したピリフェラ。「natural oddity」と説明が付いていた。自然発生型(人為的な交配ではない)の大型タイプ。大窓で葉先が太く、深い色合いで透明度が高い。
ピリフェラ natural oddity

ちなみに昨日までオークションに出品していた巨大オブツーサは入手経路は違うが最後のものと同タイプ。このタイプは小さい頃は葉が四角くなって面白い。

数日うんちく垂れになる予定なので、長文が鬱陶しい方は読み飛ばして画像だけお楽しみ下さいw

2007/11/22 Thu. 19:38 [edit]

Category: 多肉植物(ハオルチア)

TB: 0  /  CM: 2

top △