生還
それは先週の日曜日、2月20日の朝のこと。アンフィニが一度死にました。
が、この文章を書いている時点では生きてます。
<3月4日追記>
3月3日夕刻、息を引き取りました。以下は一度生還した際の記録になりますので畳んでおきます。
コメント・励まし頂いた皆様、本当にありがとうございました。
が、この文章を書いている時点では生きてます。
<3月4日追記>
3月3日夕刻、息を引き取りました。以下は一度生還した際の記録になりますので畳んでおきます。
コメント・励まし頂いた皆様、本当にありがとうございました。
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2月20日の朝、アンフィニにいつも通り給餌。活きハニーワームを目の前にぽいっと。元気にわたわたと走って追い掛けて捕食。続けて3匹、大体一度でこの位(x1日数回)。
その後シェルターの上に上ってバスキングを始めたのだが、突然口を全開にして「うえっ!」という顔をした。えっ?と思って見ていると2度同じ動作をしてぐらっとシェルターから転げ落ちた。
何がなんだか分からない飼い主。
すぐ手を入れて起こすと「けっけっ!」という音と共に食べたハニーワームを吐き出した。あちゃーと思いながら吐いたものをすぐ片付ける。
その横で口を大きく開けたまま、目も半開きで横倒れに倒れて動かなくなるアンフィニ。
餌を喉に詰まらせて窒息したと判断。しかし食べた分は全部吐いた。
掴み上げて開けた口の中を見ると唾液で気管の入り口が詰まっている、ピンセットで即取り除く。
体は硬直、口は開けたまま動かず目も閉じてしまい、体色がどんどん褪せて行く。うわあああああ、しししし死による、死んでしまうー!
慌ててアンフィニの口に口を寄せて気管に息を吹き込み、胸側から心臓部分を指先でぎゅっぎゅと押す。相手は手のひらサイズのトカゲだ、人工呼吸と心臓マッサージにちゃんとなっているのか!?
しかしそのまま口半開きのまま硬くなって動かなくなってしまった。
何度か人工呼吸と心臓マッサージを続けたが、体色が白っぽくなり、赤い部分はピンク、茶色い部分は白茶色になりどこをどう触っても反応がない。手のひらの上で倒れたまま。
…パニックになりながらもしばらく頑張った。ぐらぐら揺さぶったり胸を指先で強めに叩いたり。
だがどんどん硬くなりぴくりとも動かない。手を傾けると手のひらの上でトカゲのおもちゃのように左右に転がった。これまで見た命のなくなった子と同じ少し柔らかくてでも硬くて冷たい…。
…死んじゃった…。呆然とした。一瞬で窒息して死んでしまった…。
別室にいた家人の所に行って、半泣きで「トカゲが窒息死した~」と訴え、経過を話してちょっと落ち着く。
ため息をつきながら部屋に戻ってケージに横たえていたアンフィニを見る…と目が薄く開いている。
まだ息がある!と慌てて手の上で再度人工呼吸と心臓マッサージ。
すると段々目が開いて半開きの口は閉じ、前足がぴくっと動いた!
お腹側をマッサージして呼吸を促す。全身の硬直が少しずつほぐれ、後足も動き全身に力が入って来た。
…5分後、ぼーっとした様子だが一応全身に力が戻り、自力で踏ん張れるようになった。
20分ほどするとよろよろしながらだが自力でシェルターに登ってバスキングを始めた。い、生き返ったー…。
爬虫類の生命力の底力?
多分一度殆ど死んだ(心臓が止まった?)と思う。完全に死んだと思ったのだがかすかに息があって仮死状態だったのか失神していたのか?何にしろ驚いた。私は普段あまり動じないタイプだと思うのだが、久々に胸がぎゅーっと締め付けられる感を味わった。顔青くなっていたと思う。
普段なかなか捕まえさせてくれない、手の上でも隙あらば逃げ出そうとしてバタバタするアンフィニが硬く冷たくなって手の上で縮こまって転がっていた感触がまだ離れない。
冷静に考えてもっと大きなコオロギとかならともかく、普通ならハニーワームが喉に詰まるはずがない、アンフィニに合わせて小さ目サイズにしてもいる。しかし詰まった。
口を大きく開けて倒れていた時に口の中を見た際、喉の奥の下側に茶色い肉の塊のような組織が丸くぶっくりと盛り上がっているのが見えた。
実は前から気になってはいたのだが、アンフィニのアゴの膨らみ。

フトアゴヒゲトカゲのアゴは皮がだぶついていて大体シワシワだぶだぶしているのだが、アンフィニは殆どだぶつきがなく、中身が詰まった感じがあった。
気になってはいたものの、元気だしここの所食べる量も増えて、毎日体重も増えていたので心配してはいなかった。単純に太っているだけと思っていたのだが…。
外からでは分からなかったが、口の中の様子を見た途端病的なものだったと確信。
臨死体験したばかりで弱っているに違いないアンフィニに更に負担を掛けるかも?とは思ったが、今回は飼い主の目の前だったから蘇生できたかも知れないが、留守中に同じことがあったら助からないかも、早いに越したことはないと動物病院へ。
死に掛けた状況を説明、診察、喉の膨らみはやっぱり病気。この膨らみが喉を狭くして餌の詰まり⇒窒息を起こした原因だった。
唾液腺(唾液を作る器官)が詰まって腫れているのかも?とのことで注射針を刺したが溜まった唾液が出る感じではない。唾液腺自体の過形成のようなので今度は採取した細胞片を検査、幸い癌化はしていないとのこと。
先生曰く、爬虫類では見たことのない症例で文献でも例がないので入院・経過観察の上で処置を決めたい…とのことで入院させて帰ってきた。
確かに人間では耳下腺炎(流行性でないおたふく風邪のようなもの)や、犬猫の下顎がぶくぶく腫れる唾液腺腫(ガマ腫)などは知っていたが…。
フトアゴヒゲトカゲだと言っても流石にアゴ太すぎだったorz
注:実際はフトアゴヒゲトカゲは、アゴが太いトカゲでなく、太い方のアゴヒゲトカゲ(細い種類のアゴヒゲトカゲも居る)という意味です。
そして翌日、病院からやはり唾液腺の過形成だと確定診断の電話を貰い、手術となった運び。
仕事&遠距離なので病院にお任せ、夕方電話して状態を聞いたが麻酔も覚め無事手術成功とのこと。過形成された唾液腺を口の中から切除し、当面窒息の危険は去った。
* * * * * * * * * *
それから1週間後の今日、まだ退院は無理だろうと思いつつ病院に行ったのだが、すっかりとまでは行かないが予後良好で、もう自力で餌も食べているとのことで連れ帰ってOKと言われたので無事退院。
すっかり飼い主のことは忘れていたようだがw、威嚇もされなかった。まだフル元気という訳ではなさそう。

顎すっきりしました。

最近脱皮もしないなぁ?と思っていたが、半分剥けかけで退院。更に赤くなった。
脱皮して成長するための栄養が唾液腺の要らん組織作るのに回ってしまっていたのかも?

この脇の下の膨らみもちょっと何かやばそうではあるが、命に関わらないのでしばらく様子見で。中身は水っぽいし。
何しろ爬虫類では例がないという症状で、原因不明(内臓疾患とかウイルス感染とかは血液検査の結果からは伺えなかった)なのでまた再発するかも知れない心配がある。
こまめに病院に連れて行ってチェックしてもらうつもり。
ごめんねアンフ、もっと早く気が付いてあげればよかったね。
なかなか育たなかったのも何かこの辺が影響していたのかも?

こんな感じで一週間気が気でなかったですが、とりあえず無事生還、退院しました。
ご心配お掛けしました。お見舞い・お気遣い頂いた皆様、ありがとうございました。
現在飼い主の机の横のケージですやすや眠っています。
アンフィニに代わって、元気を分けて頂いた皆様にお礼申し上げます
その後シェルターの上に上ってバスキングを始めたのだが、突然口を全開にして「うえっ!」という顔をした。えっ?と思って見ていると2度同じ動作をしてぐらっとシェルターから転げ落ちた。
何がなんだか分からない飼い主。
すぐ手を入れて起こすと「けっけっ!」という音と共に食べたハニーワームを吐き出した。あちゃーと思いながら吐いたものをすぐ片付ける。
その横で口を大きく開けたまま、目も半開きで横倒れに倒れて動かなくなるアンフィニ。
餌を喉に詰まらせて窒息したと判断。しかし食べた分は全部吐いた。
掴み上げて開けた口の中を見ると唾液で気管の入り口が詰まっている、ピンセットで即取り除く。
体は硬直、口は開けたまま動かず目も閉じてしまい、体色がどんどん褪せて行く。うわあああああ、しししし死による、死んでしまうー!
慌ててアンフィニの口に口を寄せて気管に息を吹き込み、胸側から心臓部分を指先でぎゅっぎゅと押す。相手は手のひらサイズのトカゲだ、人工呼吸と心臓マッサージにちゃんとなっているのか!?
しかしそのまま口半開きのまま硬くなって動かなくなってしまった。
何度か人工呼吸と心臓マッサージを続けたが、体色が白っぽくなり、赤い部分はピンク、茶色い部分は白茶色になりどこをどう触っても反応がない。手のひらの上で倒れたまま。
…パニックになりながらもしばらく頑張った。ぐらぐら揺さぶったり胸を指先で強めに叩いたり。
だがどんどん硬くなりぴくりとも動かない。手を傾けると手のひらの上でトカゲのおもちゃのように左右に転がった。これまで見た命のなくなった子と同じ少し柔らかくてでも硬くて冷たい…。
…死んじゃった…。呆然とした。一瞬で窒息して死んでしまった…。
別室にいた家人の所に行って、半泣きで「トカゲが窒息死した~」と訴え、経過を話してちょっと落ち着く。
ため息をつきながら部屋に戻ってケージに横たえていたアンフィニを見る…と目が薄く開いている。
まだ息がある!と慌てて手の上で再度人工呼吸と心臓マッサージ。
すると段々目が開いて半開きの口は閉じ、前足がぴくっと動いた!
お腹側をマッサージして呼吸を促す。全身の硬直が少しずつほぐれ、後足も動き全身に力が入って来た。
…5分後、ぼーっとした様子だが一応全身に力が戻り、自力で踏ん張れるようになった。
20分ほどするとよろよろしながらだが自力でシェルターに登ってバスキングを始めた。い、生き返ったー…。
爬虫類の生命力の底力?
多分一度殆ど死んだ(心臓が止まった?)と思う。完全に死んだと思ったのだがかすかに息があって仮死状態だったのか失神していたのか?何にしろ驚いた。私は普段あまり動じないタイプだと思うのだが、久々に胸がぎゅーっと締め付けられる感を味わった。顔青くなっていたと思う。
普段なかなか捕まえさせてくれない、手の上でも隙あらば逃げ出そうとしてバタバタするアンフィニが硬く冷たくなって手の上で縮こまって転がっていた感触がまだ離れない。
冷静に考えてもっと大きなコオロギとかならともかく、普通ならハニーワームが喉に詰まるはずがない、アンフィニに合わせて小さ目サイズにしてもいる。しかし詰まった。
口を大きく開けて倒れていた時に口の中を見た際、喉の奥の下側に茶色い肉の塊のような組織が丸くぶっくりと盛り上がっているのが見えた。
実は前から気になってはいたのだが、アンフィニのアゴの膨らみ。

フトアゴヒゲトカゲのアゴは皮がだぶついていて大体シワシワだぶだぶしているのだが、アンフィニは殆どだぶつきがなく、中身が詰まった感じがあった。
気になってはいたものの、元気だしここの所食べる量も増えて、毎日体重も増えていたので心配してはいなかった。単純に太っているだけと思っていたのだが…。
外からでは分からなかったが、口の中の様子を見た途端病的なものだったと確信。
臨死体験したばかりで弱っているに違いないアンフィニに更に負担を掛けるかも?とは思ったが、今回は飼い主の目の前だったから蘇生できたかも知れないが、留守中に同じことがあったら助からないかも、早いに越したことはないと動物病院へ。
死に掛けた状況を説明、診察、喉の膨らみはやっぱり病気。この膨らみが喉を狭くして餌の詰まり⇒窒息を起こした原因だった。
唾液腺(唾液を作る器官)が詰まって腫れているのかも?とのことで注射針を刺したが溜まった唾液が出る感じではない。唾液腺自体の過形成のようなので今度は採取した細胞片を検査、幸い癌化はしていないとのこと。
先生曰く、爬虫類では見たことのない症例で文献でも例がないので入院・経過観察の上で処置を決めたい…とのことで入院させて帰ってきた。
確かに人間では耳下腺炎(流行性でないおたふく風邪のようなもの)や、犬猫の下顎がぶくぶく腫れる唾液腺腫(ガマ腫)などは知っていたが…。
フトアゴヒゲトカゲだと言っても流石にアゴ太すぎだったorz
注:実際はフトアゴヒゲトカゲは、アゴが太いトカゲでなく、太い方のアゴヒゲトカゲ(細い種類のアゴヒゲトカゲも居る)という意味です。
そして翌日、病院からやはり唾液腺の過形成だと確定診断の電話を貰い、手術となった運び。
仕事&遠距離なので病院にお任せ、夕方電話して状態を聞いたが麻酔も覚め無事手術成功とのこと。過形成された唾液腺を口の中から切除し、当面窒息の危険は去った。
* * * * * * * * * *
それから1週間後の今日、まだ退院は無理だろうと思いつつ病院に行ったのだが、すっかりとまでは行かないが予後良好で、もう自力で餌も食べているとのことで連れ帰ってOKと言われたので無事退院。
すっかり飼い主のことは忘れていたようだがw、威嚇もされなかった。まだフル元気という訳ではなさそう。

顎すっきりしました。

最近脱皮もしないなぁ?と思っていたが、半分剥けかけで退院。更に赤くなった。
脱皮して成長するための栄養が唾液腺の要らん組織作るのに回ってしまっていたのかも?

この脇の下の膨らみもちょっと何かやばそうではあるが、命に関わらないのでしばらく様子見で。中身は水っぽいし。
何しろ爬虫類では例がないという症状で、原因不明(内臓疾患とかウイルス感染とかは血液検査の結果からは伺えなかった)なのでまた再発するかも知れない心配がある。
こまめに病院に連れて行ってチェックしてもらうつもり。
ごめんねアンフ、もっと早く気が付いてあげればよかったね。
なかなか育たなかったのも何かこの辺が影響していたのかも?

こんな感じで一週間気が気でなかったですが、とりあえず無事生還、退院しました。
ご心配お掛けしました。お見舞い・お気遣い頂いた皆様、ありがとうございました。
現在飼い主の机の横のケージですやすや眠っています。
アンフィニに代わって、元気を分けて頂いた皆様にお礼申し上げます

2009/03/01 Sun. 23:23 [edit]
Category: フトアゴヒゲトカゲ
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