古典的オブツーサ 

古い学名のオブツーサ。

ハオルチアの次がオブツーサの古き良き時代の名前そのままに。

オブツーサ・コルムナリス (Haworthia obtusa v. columnaris)

H. obtusa v. columnaris

ごく一般的なフォルムのスタンダードな所謂「オブツーサ」な形のもの。
H. cooperi v. obtusa f. columnarisとされることもあるのでクーペリーの一種。

「オブツーサ」として出回っているものは殆どクーペリー(ピリフェラ)系が多いけれど、たまにシンビフォルミス系や交配種っぽいものも混じっているのを見掛ける。
また、現状でしっかり産地付きで「オブツーサ」を含む学名で出回っているのは、シンビフォルミス変種オブツーサ(H. cymbiformis v. obtusa)が多い。

栽培状態によってはクーペリー系とシンビフォルミス系の「オブツーサ」は見分けが付きづらいことも。

見分け方はここ。

葉先の窓にボディから条理が上がって来ている、この条理の先が頭のてっぺんまで伸び上がらず、この画像のように途中で終わって繋がっておらず、頭はつるっぱげになっていればクーペリー。

H. obtusa v. columnaris


古い余り良くない写真で恐縮ですが、こんな風に条理がチップ(葉先=窓の一番上)まで伸び上がって繋がっていればシンビフォルミス。
このタイプのシンビフォルミスは時々グリーンオブツーサ等の名称で売られているのを見ることがある。

シンビフォルミス変種オブツーサ (H. cymbiformis v. obtusa)
H. cymbiformis v. obtusa

このクーペリー系とシンビフォルミス系の見分け方はそれぞれの色んな品種に共通。
分類に興味のある方は日本ハオルシア協会のサイトもどうぞ。

◆4月11日追記◆

別記事のコメント欄から、ハオルシア協会の林先生より上の内容に詳しい説明を戴きましたので追記します。

以下転載です。

「窓の葉脈の状態に加え、肌色(葉色)も基本的相違点です。オブツーサ系は基本的に青緑色で、ストレス下では紫色に色づきますが、シンビ系は基本的に浅緑色~黄緑で、ストレス下でも紫色になりません(黄褐色になる。H. roseaはピンクになる)。

シンビ系の他、パレンス系の植物(H. pallens, H. caerulea, H. hisuiなど)やスペックシー系(H. elegans, H. hogsia, H. specksiiなど)、それにジョイアエやウンブラテコーラ系も皆同じで、浅緑色~黄緑で、ストレス下でも紫色になりません。
つまりオブツーサ系だけが青緑色で、ストレス下では紫色になるというわけです。この特徴は祖先のH. lapisから受け継いだもので、ラピス系は皆同じ色調をしています。
ただし色調の違いは内陸部に行くと互いに交雑してやや不鮮明になります。」

とのことです。

学術的に系統立てて考え、産地の位置関係を考察し、それぞれの植物の来歴に思いを馳せるのもハオルチアの楽しみの一つです。

*****


戻って、コルムナリスもう1枚。

H. obtusa v. columnaris

子苗は緑が薄くて葉が長いのばかり見かけるが、出来上がった株はがっちりとして葉色も青黒くなり風格が出る。
珍しく昼間に写真が撮れたので、持ち味全開フルパワーの写真を。4号鉢一杯の完成球。
この種はオブツーサの癖にソリタリア傾向で子吹きが殆どなく、型崩れせずに大型化するのが魅力。

**********

気が付くともう3月も終わり、随分暖かくなった。
今月もまともにブログ更新出来なかった…来月から本気出す(笑)

2012/03/30 Fri. 17:19 [edit]

Category: 多肉植物(ハオルチア)

Thread:サボテン・多肉植物・観葉植物  Janre:趣味・実用

TB: 0  /  CM: 0

top △

サイプラス・トゥルードス・ストーンクロップ 

以前、海外サイトで原生地写真を見て欲しくなり、種を輸入して蒔いたものの全滅させた遺恨のCyprus Troodos Stonecrop(サイプラス=キプロス・トゥルードス・ストーンクロップ)。
友人が蒔いて立派に育った苗を入手。国内播種なので安心です。ついでに私はもう実生には手を出さない方が色々良さそうです。種が可哀想&勿体無い。

ストーンクロップということで=ベンケイソウ科なのは分かるけれど、一見アエオニウム風?

正体は実はセダム。

セダム・ミクロスタキウム (Sedum microstachyum)

結構大きく、株径は10cmを軽く超えている。海外サイトには「レア種」と記載。原生地が凄く限られているのでそりゃレアでしょう。

セダム・ミクロスタキウム

microはそのままミクロ、stachyumは英語にするとspikeでトゲのこと。学名は細かいトゲが生えていると言った意味で…

葉には微毛が生えている。学名はトゲだが実際触っても分からない程度。

セダム・ミクロスタキウム

更にズーム。グログロの赤紫と緑の模様。

セダム・ミクロスタキウム

何とも魅力的なセダム。

セダム・ミクロスタキウム

英名のサイプラス・トゥルードス・ストーンクロップが示すように、原産地はキプロスのトゥルードス山。
その山の高地の岩場に育つ種類で、乾燥と低温に強い。

うちのベンケイソウ科は全て外に放り出したような栽培状態なので、こちらも例に倣っていたがこの冬は温暖なはずの当地でもマイナス5度を記録した。やっちゃったかと思ったけれど全く平気そうな顔をしているどころかむしろ色艶が良くなっていたりして。

原生地はマイナス2桁になる地域で、この種は大体マイナス18度位まで耐寒性があるため、マイナス1桁じゃ涼しくていい感じ~程度にしか感じていなかったらしい。

九州では逆に夏を心配する必要があるようだ。そして見た感じと現地の開花画像を見るとモノカルピック(Monocarpic=一回結実、花が咲くと親株は枯れる)っぽい雰囲気がひしひしと。

折角入手したので予備を作っておきたいが栄養繁殖はどうやって殖やすんだこれ?葉挿しが出来るのか、週末毟ってみようか。

自分のコレクション的にはセダムはこれとスアベオレンス、ウィンクレリー、スプリングワンダーがあれば他は要らない気がするな。

2012/03/29 Thu. 17:20 [edit]

Category: 多肉植物(その他)

Thread:サボテン・多肉植物・観葉植物  Janre:趣味・実用

TB: 0  /  CM: 2

top △

オキザリス・イナエカリス(フェルグソニアエとして入手) 

小さな多肉質の葉のオキザリス、探していたのを先日の遠征で発見して購入。

オキザリス・フェルグソニアエ (Oxalis fergusoniae)

*という札で入手したのでそう思っていたら、約1年後に別種と判明しました。

もとい、オキザリス・イナエカリス(Oxalis inaequalis)

オキザリス・フェルグソニアエ

ほぼ腐海のようになっておりますが。

オキザリス・イナエカリスエ

小さな葉に似つかわしくない、大輪の鮮やかなオレンジの花。葉は渡り1~1.5cm、花の直径は3cm近く。
やっと開花画像が撮れた休日の朝。昼間咲いて夕方閉じる花にはなかなか会えない。

オキザリス・イナエカリス

マクロで撮るとぷちぷちの表面加工が施された葉。微妙にグロ。肉眼では殆ど確認見えないのでご安心を?

オキザリス・イナエカリス

で、このように5号鉢一杯あるのです。

オキザリス・イナエカリス

小さい鉢ありませんか?と聞いたらば、これを丸ごとどうぞと手渡されたのでありがたく頂いて来たのです^^

小分けしようかと思ったがどこから手を付けていいのかまるで分からないのでそのままに。多分ずっとこのままだと思う(笑)
種は爆撃される前に回収して小鉢に蒔いて可愛いサイズの鉢を作りましょう。

明るい昼間に写真を撮るついでにハオルチア以外の多肉置き場を点検したら、あっちにもこっちにもオキザリス・カルノーサが生えている。これも放っておいたら多分同じようなことになりそう。可愛いからいいか。


2012/03/26 Mon. 23:38 [edit]

Category: 球根・塊根多肉

Thread:サボテン・多肉植物・観葉植物  Janre:趣味・実用

TB: 0  /  CM: 3

top △

アグニス 

自宅のアグニスが手入れが悪くてちっとも大きくならないので、先日の遠出で仕入れて来た。

Haworthia agnis IB12805 TL, Knersvlakte, NE of Vanrhysdorp

Haworthia agnis

外葉は泡状窓が少ないが、作り込まれた内部はツブツブぷちぷちの窓だらけ。

Haworthia agnis

昨年海外業者から大量に組織培養苗が販売され、泡状窓の少ない余り良くない顔もあるようだが、個体差とは別に育て方次第な部分もありそう。

良タイプのグロボシフロラのような泡状窓と背中側の窓、葉縁の窓も大きい。後は焼いて赤くしたら出来上がり。

Haworthia agnis

別クローンも入手してあるので今年は種が採れるかな。

**********

先日の遠征の持ち帰り苗の植え替え(買ったものは必ず自分ち仕様に植え替える)も終わらないうちに、今年初の輸入苗到着。いつもに比べると我慢して遅くなった方。

別途発注も完了、欲しかった物は押さえられたので満足。今年は減らす予定だったのだがやっぱり春になるとムズムズと。
大きくなるベンケイソウ科は縮小予定、交配種のハオルチアは特に好きな一部だけを残す方向で。
しかし原種はまだまだ欲しいものも多いし同種のデータ違い・タイプ違いを集めてしまうので、ある意味交配種よりキリがないかも知れないねぇ…。

2012/03/19 Mon. 17:24 [edit]

Category: 多肉植物(ハオルチア)

Thread:サボテン・多肉植物・観葉植物  Janre:趣味・実用

TB: 0  /  CM: 0

top △